二拠点居住をして一か月経過後の感想
二拠点居住を始めて一か月が経過しました。この一か月で感じたことをお伝えしたいと思います。
二つの地域に生活拠点を設けるもので、主に都会の住居と農村とを行き来する生活です。国土交通省では、『二地域居住』には4つの意義があるといっています。
1.都市住民は心にゆとりを持ったライフスタイルを農山漁村で創造することが可能。
2.都市では難しかったプライベートな書斎やアトリエ、音楽演奏室等の所有が実現。
3.農山漁村の側でも、一定規模の消費需要、住宅需要等を創出、地域コミュニティ活動や地域文化活動等の新たな担い手の増加。
4.様々なケア等の生活面や震災等の災害に対するセーフティ・ネット(安全網)の役割。
都会での生活で失われつつある『つながり、ゆとり、安心、時間』を田舎の生活で得ることができます。
月に二回程度の週末を東京で過ごす『メイン田舎のサブ都会』型です。
平日は地方で仕事をして、週末は東京で過ごします。
人生の大半を東京で過ごしていたため、友人関係やコミュニティの大部分は東京にあります。そのコミュニティでの活動や、都会の動向などを体感するために東京へ行きます。
私は東京に持ち家があり地方では賃貸をしている状況で、両親の実家があるなど片方に不動産を所有していると二拠点居住のハードルが低くなるかもしれません。
久しぶりに都会の電車に乗りましたが、人の距離に不快感を抱きました。通勤時間帯でもなく混み合ってもいなかったのですが、人が多くパーソナルスペースを侵害された気分になりました。地方における車通勤は天国だと確信しました。
電車の中などで多くの人がいても全てが他人で、どこの誰だか分からないということに冷えた感覚を覚えました。この感覚の原因については未だに自分でもよく分かりません。
池袋のエチカで↓のようなキャンペーンを見かけました。
隣の人が食べているものを注文したら100円引き。
こういった企画は都会の方が次から次へと出てきます。その刺激は紛れもない都会の魅力です。
多少の戸惑いと緊張で地方へ飛び込んだ私ですが、地区の方々は私の知らないところで、思っていたよりも気遣ってくれていたようでした。
私が『班』への加入意思があるのかどうか、強制的に『班』に入れて私が嫌な思いをしないだろうか、私の戸惑い以上に地区の方々は気遣いをしてくれている印象を抱きました。その気遣いは嬉しかったです。
地方(≒田舎)だと、夜になると周りの活動が停止していることを実感します。お店も早く閉まります。人の活動も早く停止します。私が住んでいる地区では、深夜12時に起きているのは私くらいでしょう。
『今、この瞬間、自分一人だけ』
という感覚を味わえることは大きな癒しです。
都会における周囲との関係の希薄さをも気楽と捉える人もいますし、地方における周囲との関係の濃厚さを人情味があると捉える人もいます。
都会の人の多さが好きな人もいますし、地方の自然の多さが好きな人もいます。
どこがいいとかどこが悪いとかは、人それぞれ十人十色です。都会や地方のどちらかを肯定することも否定することありません。
ただ、二つの場所に拠点を持つことで、多くの人と出会い、異なる生活感を体感することから得られる情報と創造力は貴重だと思えます。
都会では都会の新しい情報が入ってきますし、地方では地方の情報が入ってきます。この情報には大きな価値があるのではないでしょうか。
もし夢がかなうなら、日本と海外の二拠点居住もしてみたいと思いました。