田舎に仕事はない。が、生活は都会より良いかもしれない
おはようございます。間瀬邦生です。
田舎は仕事がないと、よく言われていますよね。
確かに仕事の「種類」はないと思います。でも、仕事はあります。仕事がないとは「良い仕事がない」という意味なのでしょう。
条件の悪い仕事を、きつい、汚い、給料が安い、3Kの仕事と呼んだ時代もありました。
田舎で仕事をして生活することを似たような造語で、「3低の生活」と呼ぶことにしました。
仕事の収入が低く、生活費にかかる支出も低く、その反面で生活のストレスも低い。そんな田舎の「3低の生活」の良さを考察します。
例を挙げます。
コンビニのバイトは田舎だと時給850円、都会だと1,050円、200円くらい違います。
一次産業系だとクーラーの効いた部屋でナスの袋詰めが最低賃金の850円くらい。夏場にクーラーの効いた部屋の作業なので快適です。
少し高い時給の仕事だと、スーパーに野菜を配送する近距離のトラックの運転手など、この仕事は時給1,000円。
どれも都会と比べて賃金は安いですが、きつくはないでしょう。
他の業種でもだいたい2割から3割くらい賃金格差があるので、田舎の方が安い事実は否めません。
支出を低くするためには、ちょっと工夫が必要です。
それは「田舎ならではの生活」をするということ。
まず家庭菜園はしましょう。自給率を高め、食費の支出を減らします。
1つ上のレベルだと、兼業農家になることです。勤めながら、作った作物を売れるくらいの規模でやってみます。米の兼業農家であれば、主食の支出を削れます。自分の作物があると物々交換も可能なので、知り合いから米や鶏(肉)を貰うこともできます。
さらに上のレベルを目指すと、養鶏など畜産をやれば、肉・野菜・米と、ほぼすべての食料が自給できてしまいます。
支出を抑えるために、食料の自給率をどれだけ高められるかがポイントです。都会のように何でも買っていたら、田舎では貧乏になります。
あと支出で重要なのが家賃です。
田舎の家賃相場は、1万円~2万円/月くらいと思っていれば大丈夫です。
ただし電車が走っている場所などでは、都会並みの家賃を提示している物件も多いので注意が必要です。車を保有さえすれば、車の維持費をはるかに超える安さの物件を借りることができます。
田舎では上司の叱責も、通勤電車も、運動不足による腰痛の心配もありません。
さらに田舎は人手不足です。
森林管理・農地管理・観光客向け施設、そして介護福祉など仕事は山ほどあります。一方で労働人口はどんどん減少しています。だから慢性的な人手不足に陥っています。
人がいない場所に、働き盛りの世代が引っ越していったら、どのような状況になるでしょうか。
それは「引く手あまた」です。
至る所から求人のお話を受けます。勿論、給料が高い保証はありませんが…。
ただ、そんな歓迎されている中でストレスなんて感じようがありません。感じるのは、必要とされているというやりがいです。給料が少なくとも自分の存在価値を感じることのできる場所で暮らすのも悪くはないでしょう。
田舎は刺激がない(娯楽がない)という意見もよく聞きます。ある種の人にとっては確かにそうかもしれません。
だから田舎では刺激は自分で作りましょう。
田舎は疲弊していて、地域おこしをしないと衰退する一方です。地域おこしの活動そのものが、自身の生活を左右する刺激的な活動です。新商品の開発もイベント企画もすべて刺激的です。
廃村とならないためにも、挑戦するしかありません。
受動的な刺激は少ないかもしれませんが、能動的に活動する人にとって、田舎は刺激だらけの土地とも言えるのではないでしょうか。
夫婦と子ども2人の家族の場合で考えてみます。
旦那様は農業で普通に頑張って年収200万円くらい。奥様はパートの働きに行き年収150万円くらい。夫婦共働きで世帯年収350万円です。
介護福祉の仕事に就ければ、奥様の収入はもっと高くなります。
一方でひと月の支出は、家賃1~2万円、車の維持費1万円、光熱費は1~2万円、通信費は1~2万円、食費は3万円。そして社会保障費で3万円くらいはかかるでしょうか。とすると、合計10~13万円/月。
最低限必要なお金は13万円/月。年間にすると、150万円くらいですね。
保育園の待機児童はいません。
インターネットも携帯の電波も都会と変わりありません。
適度に体を動かす生活スタイルなので、体はいたって健康。
山奥の限界集落だとまた状況は違うとは思いますが、私の知っている田舎はこんな暮らしです。
田舎の生活をどう思うかは、人それぞれ。
非正規雇用がますます増える中、都会の喧噪で疲弊するよりは、田舎で暮らす生き方が合っている人も多くいるのではないでしょうか。