こころ宿NAGOMI – 昭和情緒と木のぬくもりにあふれる宿
おはようございます。間瀬邦生です。
本日は私が実際に宿泊した『こころ宿NAGOMI』さまの紹介です。
↑宿入口。昭和よりはるか昔、江戸時代の宿場町を思わせるような風情の入口です。
栃木県芳賀郡茂木町木幡
敷地内に一歩踏み入れた瞬間から「おやっ、何かが違う」と感じることになるでしょう。最初に目に飛び込んでくるのは平屋建ての小学校。宿に入ればいたるところに感じる『木』のぬくもり。多くの若い人にとって、テレビの映像でしか見たことのない景色が広がります。
廃校になった小学校を改装して作られたというこの宿。
『父や母はこういう場所で子供時代を過ごしたのだ』
そんな気持ちを思い起こすきっかけになるかもしれません。
館内を一通り散策すると、受付ロビー以外では時計を見かけないことに気付きます。
腕時計か携帯電話で時間を確認できる現代、時計の必要性は感じません。しかし会社勤めをしていると嫌でも時間が気になります。時計を置かないというのは、時間というしがらみからの解放を意識した館主のお心遣いと解釈して、私は携帯電話を封印することにしました。時間に縛られないひとときを味わおうと思います。
↑廊下です。部屋のドアも木製で視界一面に木があふれています。
↑部屋です。こちらも木がたっぷりです。
夕食に出た野菜は「もてぎ美土里(みどり)野菜」というブランドで流通している茂木町産の野菜でした。
茂木町は行政と住民が協力して『循環型農地(要は化学肥料などを使わない)』の政策に取り組んでいて、茂木町の有機物リサイクルセンターで作られた「堆肥」を使って育てた野菜のみが「もてぎ美土里野菜」ブランドを名乗れるという由緒正しいものです。
↑夕食です。これで足りない人は別コースや追加メニューもあります。
↑鍋の中身です。私のおすすめはシイタケです。シイタケが苦手な私でも美味しくいただけた奇跡の一品です。
夜、散歩に出掛けました。
真っ暗な闇の中を歩いてはっきりと自覚したことなのですが、私は田舎に来るたびに『恐怖』という感情を抱きます。
都会は街灯で常に明るく、人を感じることができ、夜に恐怖を感じることはありません。それは結果的に、人が本来持っている防衛本能を鈍らせていると思います。
田舎は自然の壮大さを感じるとともに、その恐ろしさを感じることにもなります。
恐れを意識することは、自分を戒め、いざ危険が迫ったときの心構えを育てることにつながります。
動物本来の本能を呼び覚ますために田舎へ行く。ただそれだけでも価値のある体験なのかもしれません。
↑夜の校舎です。写真はフラッシュで明るいですが、実際は闇です。
翌朝、併設の『昭和ふるさと村』を見学しました。
木の校舎。木の廊下。木の机。木のイス。見渡す限り木です。
↑廃校となった小学校です。前日の雪も残り、風情がありますね。
↑廊下です。木造校舎ですね。
もはや誰も使われないものを残すことにどういう意義があるのか少し考えてみましたがよく分かりません。使われないという点だけで考えたら、城も遺跡もいらなくなります。
ただ私は『木』が好きです。そういう感情だけで十分なのかもしれません。
私は宿泊前にできるだけ多くの宿のエピソードを知った上で出かけることにしています。
そうすることで、宿泊したときにより多くのことに気付くことができます。
『こころ宿NAGOMI』さまの場合、館主の中村さんはもともと東京出身で、茂木町に移住してきて、この施設をご自身一人で修築・改築したという記事をインターネットで見かけました。
その話を知ることによって興味が増しました。
興味が増したという表現をはるかに超えて、
『(失礼な意味で言っているわけでは決してなく)とんでもない狂気の行動だ!』
とも思ったわけです。
私は宿に泊まりたかったのであり、中村さんという人を知りたかったのです。
そういう情報があれば、宿をとおして中村さんが費やした苦労や注いだ情熱を体験することができ、そのときの感動はまた格別です。
もしこだわりのある宿に泊まるのなら、オーナーさまのホームページやブログや、第三者の取材記事など、行く前にその宿のエピソードを調べることを、是非おすすめします。
※ちなみに『こころ宿NAGOMI』さまの場合は、併設施設である『昭和ふるさと村』というキーワードで検索すると、より多くの記事がひっかかります。
一人一泊二食付9290円という料金でしたが、お支払いした金額をはるかに超える価値のある体験になりました。
文章ではお伝えしきれないことがたくさんありますが、それは皆様ご自身でお確かめください。
『昭和情緒』や『木のぬくもり』を感じたいとき、『こころ宿NAGOMI』さまのご利用をおすすめします。