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佐久ホテル – 『縁』は人生ドラマだ!『繋がり』ってやっぱり大事だなぁ

 

おはようございます。間瀬邦生です。

本日は私が実際に宿泊した『佐久ホテル』でのお話をお伝えします。

佐久ホテルの現経営者の息子さんが東京で料理の修業をしており、私はその息子さんと東京で職場を共にした時期がありました。

『いつか佐久に来ることがあったら、泊まってよ』

という彼の言葉を思い出し一泊させていただきました。


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↑現地。歴史を感じるたたずまいと風格です。


所在

長野県佐久市岩村田中山道今宿

ウェブサイト

http://www.sakusaku.co.jp


この宿の特徴!

『佐久にはこれといった観光名所がないのですよ。スキー客さんやお隣の軽井沢からの観光客を呼び込んでくるくらいしか手だてがなくて…』という愚痴をこぼしている佐久の方がいらっしゃいましたが、ご安心ください。佐久ホテルがあります。

佐久ホテルは、『創業1428年』という600年の歴史があり、『佐久鯉(コイ)料理』発祥の地でもあり、さらにはここでしか手に入らない『天茶(あまちゃ)』というお茶もあります。

初めて訪れた人にとっては驚きの連続となるでしょう。

そして何よりも…、とこれは記事の後半でお伝えするとしまして。

新幹線佐久平駅から車で3分、高速バスの停車駅からは徒歩1分、立地条件の良いお宿です。


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↑館内の庭園。左右が部屋になっています。


佐久鯉

佐久ホテルは佐久鯉料理の発祥としても有名で、古文書の記録によると一番古い佐久鯉料理は江戸時代初期(1648年)に小諸城主にお出ししたとのこと。

以下、佐久鯉について調べた内容をご紹介します。

佐久鯉は養殖の歴史も古く江戸時代の中期には既に行われていました。江戸時代の後期になると『水田養鯉』という養殖が始まりました。水田に稚魚を放し稲作をしながら鯉を育てるという方法で、鯉の旺盛な食欲によって、田んぼにいる害虫や雑草が激減するだけでなく、鯉が泳いだり土をつっついたりすることで、水が濁り、雑草が芽吹くのを防げたそうです。

秋になると一部の鯉は越冬のため池へ移され、残りは冬の保存食として食されます。また当時の鯉の養殖には年貢がかからなかったため、貴重な現金収入として盛んに養殖を行っていたそうです。

佐久鯉は地元経済を支えた歴史ある食材だったのです。

おそらく多くの人は鯉を食べた経験はないはずで、私もその一人ですが、今回は夜遅くの宿到着となったため、味わうことができませんでした。

「鯉こく」「うま煮」「あらい」といった数々の料理があるそうで、そのお味をお伝えできないのが残念でなりません。

※詳しくは、佐久ホテルさまの鯉料理のブログページをご覧ください。

http://sakuhotel.blog23.fc2.com/blog-entry-3542.html


天茶

天茶はロビーに置いてあり、いつでも自由に飲むことができます。

お風呂あがりに何気なくいただいたときの率直な感想はというと、

『なんだこりゃ、ものすごく甘い!』

砂糖が入っているのだろうと真っ先に疑いましたが、入っていないとのこと。これでゼロカロリーとは信じられません。

ゼロカロリー飲料でよく見かけるステビア(甘味料)かと思いましたが、まったく別の植物のようです。学名は「amacha」。日本原産を想像させる学名です。詳細は分かりませんが何か体への良い影響を期待させる味であることは確かです。

一飲の価値あり。是非飲んで欲しい一品です。

私は今年の花粉症対策の切り札として、天茶に賭けてみようと思っています。

※詳しくは、佐久ホテルさまの天茶のサイトページをご覧ください。

http://www.sakusaku.co.jp/mail/amacha.htm


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↑天茶です。その味に感動して5袋買いました。


宿の歴史

先に書いたとおり、私は佐久ホテルの息子さんと既知であり、大変お世話になった時期がありました。

その感謝の気持ちをお伝えしようと思っていたところ、チェックイン受付の方の胸のプレートには『若女将』と書いてあります。きっと彼のお母さんだろうと思い、

『篠澤(ささざわ)さんですか?』

とお尋ねしました。

『あら、ホームページでも見てくださったのですか?』

ちょっと驚かれた様子でそう答えてくれました。

『息子さんが東京に働きに出てらっしゃいますよね。実は二年ほど前に同じ職場で…』

と事情をお伝えしたところ、若女将さんはとても喜んでくれた様子で、少々弾んだ話もしながらお部屋へ案内していただきました。

『ねっ、ちょっとお部屋で待っていてください。渡したいものがあるから』

と言われ、なんだろうと私が待っていると、

なんと、ホテルのお土産である天茶、オリジナルワイン、塩羊羹など一式をお土産にいただいてしまいました。

こんなにもらっていいのだろうか、という驚きをとともに、

『私は歓迎されているんだ』

と強く感じました。この感情が発展して、

『もう一度来よう!』

という気持ちになることは間違いありません。

お土産をもらったという物質的な喜びは当然ありますが、この出来事を通して感じたことは、佐久ホテルに根付いている『もてなし』に対する真摯な姿勢でした。

想像をはるかに超えた歓待を受けた私は、翌日に控えた本来の用事を済ませていないにも関わらず、

『佐久に来た目的は既に達成した!』

という満足感に包まれつつ眠りにつきました。


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↑宿オリジナルのハーブワイン「高原の泉」。野草・野菜・果物、27種類の原料から作られているという栄養成分が圧巻のワインです。


結果として私は『お土産をおねだり』したともいえます。

チェックアウトのときに息子さんのお話をして、何も受け取らずに帰るのがスマートなやり方だったとも反省しました。

しかし好意を受け取ったのなら、私も好意を返せばいいだけのこと、その好意のキャッチボールが絆を深めます。やはり受け取って良かったでしょう。


佐久ホテルは長い歴史を持つ宿であり、戦国武将や有名歌人が利用したという事実もあり、しかしそれだけが歴史を語っているのではないと感じました。

その歴史が語っているものが何かといえば、それは宿を支えてきた歴代の経営者の精神ではないかと思うのです。『縁・繋がり』を大切にする精神は血筋として確実に受け継がれており、その結果として佐久の地で長きに渡り商売を続けることができています。

その血筋に刻まれた精神こそが歴史の証明ではないでしょうか。


後日、佐久の人柄についてこうお話ししてくれた方がいました。

『地方ってどこもそうかもしれないけれど、佐久の人は知らない人に対して人見知りになる面があるんだよね。でも大学が同じとかそういったちょっとした繋がりがあるだけで、急に親しげになるんだなあ。それが良いことがどうかは分からないけど』

とのことでした。

私が得た感動は『縁』という特殊な関係があったからということは否めません。

しかし、そんな『縁』がなくとも『佐久ホテル』に一歩足を踏み入れれば、きっと素敵な時間を過ごせると思います。

佐久に立ち寄ることがあれば、『佐久ホテル』さまのご利用を検討してみてはいかがでしょうか。


※今回私は一人一泊朝食付7300円というプランで利用しました。



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