初夏の田んぼは美しいの一言だけで終わらせていいのか
おはようございます。間瀬邦生です。
5月に田植えが終わり、6月にもなると苗がぐんぐんと大きくなってきます。
毎朝の通勤時、青々とした稲と田んぼの水に太陽の光が反射してキラキラ光る景色にはとても癒されます。
『こういう場所を残していきたい』
そう思いませんか。
実際の景色を見てもらえれば、きっと残したいと思うはずです。
その気持ちは非常に大切ですが、『残したい』という気持ちだけでは残せない状況です。
農業なんて大変なこと、もはや多くの人がやろうとしません。苦労して作ってもイノシシには食い荒らされますし、ヒトには安く買い叩かれます。
本当に残したいのであれば、残したいと感じた人たちが何かしらの行動で示す必要があるのです。
私自身も残したいと思いました。と同時に、思っただけで行動を起こしていない自分はなんてノンキなんだと思いました。
例えば、お米や野菜を買うときは、農家の手元に直接お金が入るようなところから買う。安易に価格だけで購入を判断しない。農家の想いや品質を感じつつ商品を見る。等々、要は『この場所を残していくために買う』という具体的な行動の積み重ねが農家という職業を維持し、農業という仕事へのやる気に繋がります。
美しい日本の田園風景を支えている地方の人は、お客様ともいえる消費者に対して、その田園風景の価値にお金を払えなんて言えないですよ。別に田園風景を作るために稲作をするわけでもないし、景色からお金をもらう気なんてないでしょうし。
そんな人の良さがあるから、誰に気付かれるでもなく衰退し、そのまま消えていきます。
だから、都会で三十五年間暮らした第三者である私が言います。
今は昔と違って、ただで美しいものが残されていく時代ではなくなってしまいました。維持するにはお金も必要だし、多くの人の協力も必要です。
その田園風景とそこから生産されているものに価値を感じたのであれば、それを守る行動を取らないと守ることはできないのです。