二拠点居住をして九か月経過後の感想。地方の人は国境を守る兵士である
明けましておめでとうございます。間瀬邦生です。
昨年から地方で暮らし始めて、多くのことを学ぶことができました。
プラスな話題としては、風邪をまったく引かなくなることだったり、毎朝の鳥の声や虫の音の目覚ましであったり。
マイナスな話題としては、過疎高齢化であったり、人口減少であったり、空き家問題であったり。
と、そんな中で、私が選ぶ『地方の今のキーワード』を一つ選ぶとすれば、これ。
『イノシシ』
昨年一年間で一番話題に上った言葉ではないかと思います。
イノシシは作物を直接食べる食害だけでなく、ミミズを食べるために作物の種類関係なく畑を掘り起こします。全ての畑の天敵であり、掘り起こされた畑の作物は根をやられてしまいます。
最近のイノシシは、ブタとの交配の結果、雑種イノブタ的な要素を多く備え、人を恐れず人里まで平気でやってきます。
昔は猟師も多く野生の動物もあまり人里まではやってきませんでしたが、今は人が減り、猟師も減り、だんだんと人間界に姿を現すようになりました。
そんな地方の現状を私は以下のように思います。
『地方ではそこに住む全ての人たちが、自分たちの農作物(土地)を守るために有害鳥獣と戦い、その姿は国土を守る兵士たちに等しい』
私にとっての地方は、中国の万里の長城と同じです。
万里の長城は北方の騎馬民族の侵入を防ぐために作られました。そこには多くの兵隊が配置されており、国境の最前線でした。
地方は人間界と動物界の国境で、今、人間の力が弱まってきたので、動物がどんどんその勢力を伸ばしてきています。
国境の最前線で国土を守っている人がいるからこそ、その内側の人の日常の平和が維持されているのでしょう。
今後、日本の人口は減っていくのでしょうけども、それにともなって人間の勢力圏はどんどん狭まってしまうのでしょうけども、どこかに必ず国境は存在します。
その国境で戦っている人がいるということ。
私はその存在に尊敬の念を感じずにはいられません。