リーダーの資質 – 小学生の若きリーダー
おはようございます。間瀬邦生です。
古今東西、変化することのない普遍的な真理を追究したいと思っている私ですが、過去に出会ったリーダーの一人についてお話ししたいと思います。
小学六年生の終盤、卒業を間近に控えた時期、卒業生が在校生へ向けて催しをすることになり、催しの際の代表を決める必要がありました。
そういったときは、立候補で選出する方式をとっていて、私たちのクラスはいつも立候補が出ずに長い時間がかかっていました。そうして時間が経つうちに担任の先生が不機嫌になってくるというのが毎回のことでした。
しかし、そのときの代表選出だけは違いました。友人の一人がすぐに名乗り出たのです。
その行動に対して、私たち友人一同はこう声を掛けました。
『よくあそこで立候補してくれたなあ。ありがとう』
立候補した友人はこう答えました。
『誰かが手を上げなければ、先生がまた怒り出すじゃん。それが分かっていたから、俺がやろうかなって思っただけだよ』
とても十二歳が言う言葉とは思えません。
それが言えた彼は、まぎれもなくリーダーとしての資質を備えていたと思われます。
誰だって責任は取りたくない。それでも責任を取らなければならないのがリーダーの宿命ではありますが、責任を取るということを、別な角度から大別すると、それは誰もがやりたくないことなのです。
「先見の明」や「優れたアイデア」や「部下の力を引き出す」など、リーダーが備えなければならない資質は数多いですが、何か一つを選べと訊かれたなら、私は、
『誰もがやりたくないことを引き受けてくれること』
を第一に挙げます。
優れた才能を持つ人が多数いるグループにおいても、結局最後は『誰もがやりたくないことを引き受ける』人がリーダーにおさまる気がしてなりません。
誰もやりたくないこととは、誰もが苦手なことであり、リスクを伴うもの。必要なのはその恐怖に立ち向かう『勇気』。ただそれさえあれば、誰でもリーダーになれるのかもしれませんね。