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就農のとき、なぜサツマイモを選んだのか

 

おはようございます。間瀬邦生です。

さて、農家4年目の今更ですが「なぜサツマイモを選んだのか」について書こうと思います。

最近、就農相談や移住相談を受ける機会が多かったからでしょうか。その相手とのお話の中で、よく訊かれるんですよね。


サツマイモの理由は幾つかありまして、それらの理由の骨太なところは「儲かりそうだから」ということです。

「儲かりそうだから」という表現は本質なのではありますが、その言葉の選び方次第で、相手に与える印象は違ってきまして…。


① 儲かりそうだから

→(清貧思想の強い日本人としては)守銭奴のようなネガティブな印象。


② サツマイモの可能性を感じ、儲かりそうだから!

→後半の儲かりそうを言わなければ、前半の言葉は好感度高い。


③ サツマイモの可能性を感じ、儲かりそうだし、儲かるということは従業員一同みんなが幸せになるから!

→ここまで伝えられると、ネガティブな言葉を使いつつ、キラキラした理由が根底にあるということを伝えられます。

長たらしい表現ですが、正確に伝えたいとなるとこうなります。


まあ、戯言はこのへんで。

では、「なぜ、儲かりそうと思ったのか」の「なぜ」について、以下、本編へ。



「作物の特性」としての理由

1.楽だから

少ない労力で最大限の成果を出したいということなのですが、「楽」という言葉を使うとどうも悪いイメージがあり、なんとも。

実際問題、サツマイモは楽なんですよ。

5月に移植したら、初期に雑草の管理さえ済ませてしまえば、夏から秋の収穫まで管理労力ゼロ。ローコスト、ハイリターンは誰しも願うもの。

楽の意味には、初心者の私でも、それなりにうまく育てられそうという意味もあります。


2.災害に強い

乾燥に強く、病気にも強い。サツマイモは明らかに他の作物より災害に強いです。

ローリスク、ハイリターンは誰しも願うもの。


3.加工品が豊富で魅力的

スイートポテト、大学いも、干しいも、焼きいも。サツマイモから作るお菓子、スイーツは豊富です。

六次産業化向きの商品だと思います。



「干しいも」としての理由

4.冬に仕事がある

この町の冬は厳しいです。野菜の育たない冬の仕事として、干しいも作りは貴重な労働です。


5.売りやすい

サツマイモで1万円を売るのには50本売らないといけないですが、干しいもで1万円を売るには10袋売ればいいんです。

後者の方が売りやすいと私は判断しました。

また贈答用としての需要もあります。


6.流通コスト

野菜セット3,000円分の送料と、干しいも3,000円分の送料では雲泥の差です。どちらがネット販売向きの商品かといえば一目瞭然でした。



「自分の性格」としての理由

7.集中的に働き、集中的に休みたい

私は長距離走が苦手です。同じことの反復作業は、すぐに飽きてしまいます。

夏場に毎日収穫するミニトマトやナスなど1つの株から何度も収穫する「鳴りもの野菜」は苦手です。

私の性格は、収穫してその株はおしまい、キャベツやサツマイモなどの「一発野菜」向きです。

そして夏休みをしっかり取りたいので、夏場に仕事のない作物としてサツマイモは最適でした。

ストレスなく仕事に取り組めることは、人生の大きなテーマです。


8.農作業が苦手だから、機械化したい

私は作業が遅いです。性格上、集中力が長く続きません。作業しながら、別のことを考えてしまいます。

つい丁寧に作業してしまい、速度が疎かになります。

サツマイモという機械化が進んでいる作物により、その作業の遅速の差をなくせます。


9.1人で作業していると気が滅入るので、みんなで作業したい

サツマイモは機械化が進んでいるからとはいえ、人手がいらないというわけではありません。

機械も必要ですし、人手も必要です。

収入も多いですが、支出も多い作物です。

みんなでやることでワイワイとお喋りしながら楽しく、仕事でないかのように仕事に取り組みたいのです。



「潜在的な自分の哲学」としての理由

10.穀物最重要論

最近まで明確に自覚していなかったのですが、どうやら自分の中に農産品の重要度の差があるようなのです。


< 人間が生きるために必要な農産物ランク >

穀物 > 野菜 > 果物 > 花・植木


人参も必要だし、みかんも必要だし、桜も必要なのだけど、自分はコメ・イモ類などの穀物に一番携わっていたい。

そんな想いがあるだと。


というところで、計10個も理由を挙げることができました。

もちろん、サツマイモならではの苦労はあります。ただ、やはり私にとって、サツマイモは最適な作物だと今のところ思っています。



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