食品加工会社大手のM&Aにより、農家はさらに弱くなる
おはようございます。間瀬邦生です。
昨年、カルビーがポテトかいつかを138億円で買収し、完全子会社化したという報道がありました。
買収以前に資本関係はなく、急転直下の買収劇だったとのことです。
サツマイモ農家にとっては、けっこう衝撃的なニュース!
本日は、この買収について思うこと。
1.「ポテトかいつか」とは
2.なぜ衝撃か
3.最終的に弱者いじめにならないか
ポテトかいつかは1967年に創業、茨城県を中心に400を超える農家からさつまいもを仕入れ、オリジナルブランドのさつまいも「紅天使」を主体として、焼き芋用原料の卸売や冷凍焼き芋など加工品の製造販売、焼き芋の直販などを手掛ける、国内最大規模のさつまいも専業の食品会社。
貯蔵・加工を行い、全国の小売店、外食業、食品加工会社や消費者へ直接販売する業界におけるリーディングカンパニー。
カルビー発表によると、同社はポテト系スナックにおいて国内75%を超えるシェアをもつそうです。
茨城県のサツマイモ農家の私の立場からすると、近隣の農業関係者の中にはポテトかいつかさんと直接取引している人もいるわけです。
自分たちの作ったサツマイモの出荷先はどこかの話になると、「JAか、ポテトかいつかか?」って2択くらいの存在でしたから、そんな企業の株主が変わるのですから、それは衝撃です。
株主が変わっただけで、重要な役職はポテトかいつかの人材がそのまま就任するようですが、サツマイモ農家の出荷先の親分だった人のさらに上に大親分でできたことになりますので、色々な憶測も飛び交う訳です。
ポテトかいつかがカルビー傘下に入ったことで何が変わるのでしょうか。
経営陣は変わっていないので、今すぐに何もかもが変わるということはないのでしょう。
でも、将来的には分かりません。
取引先が自分より大きければ大きいほど、取引先は無理な要求を強いてくる可能性は高くなり、下請けはその要求を断りづらくなります。その繰り返しで下請けは疲弊するというのは、よくある話です。
そうなるのが怖い。怖いというか、そういう取引先を憎みます。
一社が強くなると弊害が多発し、格差社会を助長します。資本主義社会とはいえ、独占禁止法という法律があるのはそれを抑制するため。
私は上の者が下の者を虐げる社会を望みません。
とにかく大企業が増えるのは、中小企業にとっては非常に危険な状態です。
大企業には程よく儲けるところで止めて欲しい。
それが王者のふるまいであると私は思っています。