若さへの敬意(1)- ささやかな一言
おはようございます。間瀬邦生です。
今から十五年ほど前の出来事についてお話しします。
当時私は二十歳前後、大学生でした。
電車に乗っていて、つり革につかまって立っていたとき、隣に五十歳くらいの男性が同じように立っていました。
そして私たちの前方の席が空き、そばにいた私か隣の男性かどちらかが座るのかという状況を迎えました。
僅かな間をおき、
「お席、よろしいですか?」
隣の男性が私に確認を取ってくれたのです。
父子の年齢差以上もあるその男性が、社会にすら出ていない未熟な私に対するとは思えないほど丁寧な態度で接してくれたのです。
この瞬間、私はこの男性に惚れました。彼こそ紳士と呼ぶのでしょう。
「お席、よろしいですか?」
私は必ず言うようにしています。
電車のいたるところで、この言葉が聞かれるような社会にしていきましょう!
老子の言葉を思い出します。
故大國以下小國、則取小國(大国以って小国に下れば、則ち小国を取る)
意味は、大国が小国にへりくだれば小国の尊敬を得る。
今の世界にこの言葉を実現している国はあるのでしょうか?
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人間関係 東洋哲学, 礼儀, 老子