毎朝ちょこっと見て、ちょこっとでも元気になって欲しい。そんな思いで始めました。

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察知力

 

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おはようございます。間瀬邦生です。

人の往来の中から逸材を見極めるべく、高貴なオーラを日々感じ取りたいと思っている間瀬ですが、時々ものすごい人間に出会うことがあります。


映画館に遅れて入り席が見つからず、最後尾での立ち見を覚悟したときのことです。

「どうぞ、私の隣が空いていますよ」

一人の老人が気配に気付いて話しかけてくれました。

私は映画を観ている人たちの邪魔にならないように気配を消していたつもりだったのですが、まんまと看破されてしまったわけです。

その察知力・周りへの配慮力に、映画より先に感動してしまいました。

最後まで映画を観ていた私ですが、およそ二時間の間、私は映画を観るのではなくその老人を見ていた気がします。


その一方で残念な出来事にも遭遇します。

日々の通勤で電車から降りるとき、前の人を押しのけるようにドアへと進む人。

手前の人は明らかに降りるような素振りを見せており、そんな無理矢理前へ出る必要があるようには思えません。

『そこで人を押しのけることに意味があるのか!?』

心の中で何百回叫んだことでしょう。僅かな時間を得ることよりも多くの『大切な何か』を失わないでしょうか?


動き一つで、その動きの理由と、その動きからくる結果を推測する。

それができている人は、一瞬すれ違っただけでもなんとなく違うと感じさせるものです。

日本人は察知力に優れている民族とされています。その長所をより磨いていきたいですね!


「説曹操、曹操就到」という言葉をご存知でしょうか?

直訳は「曹操の話をすると、曹操がやってくる」となり、「ウワサをすれば影」という意味の中国のことわざです。

ご存知の通り曹操は、後漢の武将・政治家で三国時代魏の事実上の建国者。

三国志演義に代表される三国志伝承において、冷酷な悪役として認識されており、情報収集力に優れていたため悪口など言えば、すぐに曹操が現れて殺されると恐れたことからこの言葉ができたそうです。

曹操が悪人かどうかは別として、その情報収集の重要性の認識や優秀な人材を見抜く力は後世の歴史書のお墨付きです。臣下の反乱の企てを、何気ない素振りから察知することもあったようです。その察知力が建国の覇業を成し遂げるに必要不可欠であったということですね。



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