4年間の積み重ね
おはようございます。地方進出の4年目が終わろうとしている間瀬邦生です。
この4年間は地方で事業を始めるための「始動」の期間でした。来年度からは事業の「安定」を目指す活動にしなければならないと感じています。
4年間で達成できたことの小ささに落胆しつつも、私にはこれが限界だったでしょう。
本日は、4年間を総括しつつ、どんなに小さくとも、「1つでも2つでも積み重ねられた」ことについて振り返ってみたいと思います。
1.1年目にできたこと
2.2年目にできたこと
3.3年目にできたこと
4.4年目にできたこと
5.1つ1つ積み重ねることの重要さ
6.5年目も積み重ねて
1年目は・・・、何もできませんでした。
当時の記録を見ると、色々と動いてはいたようなのですが、その動きが次のステップに移っていません。その動き単体でお終いなのです。
地方は何が重要な産業なのか、何を伸ばせば良いのか。
地方の魅力とは何なのか、地方の衰退の原因は何なのか。
分からないことばかりです。
もちろん現地の人も答えを持っていないので、教えてもらえることもありません。
そして答えがないと、諦めという喪失感のみが蔓延するようになります。
1年目は、敢えて言うなら、地方の現状に対して何もできないことが分かりました。
1年目に何も分からないながらも分かったことは「地方における一次産業の重要さ」でした。
ちなみに海のない当市では、農業か林業か畜産業になりますが、私は農業を選びました。
さて、一次産業がどうして重要かといいますと、私は大きく2つの理由を上げます。
1つ目は、地域に受け入れられる・認められるために、有効であること。
一次産業をやることは、一般的に大変と言われます。儲からないし、肉体労働だし。若い世代で農業を職業に選ぶ人はほとんどいません。
でも、そんな職業だからこそ、農業で生計を立てている人は「仕事ができる人」と認められる傾向にあります。
2つ目は、自然豊かな地域では、自然から作られたものこそが、一番の強みということ。
産業を創り出すという点において、田舎にIT技術者を集めてITの町にするやり方もあることはあるんです。今はネットワークが発達していますから、遠隔からでも在宅ワークは可能です。
田舎で仕事をしているフリーランスのIT技術者は確かにいます。
でも、やはり都会の人が田舎に求めるものは、IT業で成り立っている田舎よりも、田畑が広がり、養鶏農家や牧場があり、そこで働く人がいて、そこには新鮮で美味しい食べ物があって、そんな田舎を求めているのではないでしょうか。
田舎暮らしを選ぶ人だって、自然と関わりのある仕事で生計を立てたいと思う人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
というところで、2年目は何ができたかというと、農業を始めて、少しだけ農業ができるようになりました。
2年目に農業をやって、作ったものを売ってみて、気付いたことがあります。
それは、サツマイモが自分の性格に合った作物だったこと。サツマイモから作る干しいもがとても売れたこと。干しいもは農産品が少なくなる冬に生産ができること。茨城県は干しいものブランドが確立していたこと。
これは勝算のある産業だと思いました。
3年目は、サツマイモの本格栽培から、干しいも加工まで、一連の流れを習得することができ、サツマイモ&干しいも農家の第一歩を踏み出すことができました。
3年目で形になったサツマイモの収入は、10月と11月。干しいもは、12月から3月。残り半年間の収入を確保しなければなりません。
そこで、残り半年間に私は新しい作物を作る・・・のではなく、廃棄・余剰野菜を使った食品加工への進出を決めました。
4年目は、加工施設の改修資金を集めに奔走した1年間。そして、なんとか形になった加工施設。
商品はまだありません。建物というハードウェアができただけ。ソフトウェアがない状況です。
4年間必死に活動してきて、未だに半年分の収入しか確保できていない自分自身に落胆することがあります。地域を興すどころか、自分の生活すらままなりません。
つい先日、久々に会った友人に、そんな4年間の報告をしたところ、とても褒めてもらえました。
その友人によると、成功する人とは、1つ1つ改善したり、1つ1つ達成したり、諦めずに積み重ねていける人だというのです。
気になって「1つ1つ積み重ねる」というワードでネット検索してみると、以下のようなフレーズが見つかりました。
「やらない人も達成できないし、一気にゴールを目指す人も達成できない」
「小さな目標を積み上げて『大きな目標』を実現する方法」
「人生はわらしべ長者のように1つずつ実績を積み上げていくもの」
つまりは諦めないということなのでしょう。
諦めない限り、過去の経験は失われず、未来に生きてきます。
5年目は「安定」を目指す活動と冒頭で書きましたが、4年目より上手く稼げそうな手ごたえを感じているのは確かです。これも経験を積んだ結果でしょう。
4年目の農業の実績を認められ、農業の補助金をいただけることが決まりました。これも積み重ねた結果なのでしょう。
資金の余裕は、心の余裕をもたらします。
実は3年目と4年目は非常に辛い2年間でした。資金面の困窮もあり、新しいことへの挑戦も心を大きく疲弊させます。
というところで、5年目は少しペースを落とし、心を休ませつつも、何かを積み重ねられるよう頑張っていきたいと思います。