アウトローになって分かること(3)転職『向上心を忘れて苦しむのは自分自身』
おはようございます。間瀬邦生です。
人生には転機というものがあって、自ら死地に飛び込むような決断であったり、倒産間近の企業が大博打を打つような大きな決断であったり、そこには多くの人生ドラマが待っています。
第三回は三年前の自分。七年間勤めた会社を退職し、転職をしたときのことです。
私も三十歳を超えました。
なんとなくでも努力していれば、それなりに大きなことを成し遂げられると思っていたことが間違っていると気付き始めた時期でした。
なんとなくでは何も成し遂げられませんでした。
不甲斐ない自分自身を変えたいという願望が、転職へと気持ちを傾かせました。
この時期、勤めている会社の業績は急激に悪化していましたが、それは辞めた理由とはほとんど関係ありませんでした。
体質が腐敗し、負のスパイラルに陥っていた会社の業績を立て直すことは、転職をするよりも困難な道だったでしょう。私に会社に残る気持ちがあれば、むしろその逆境を楽しむことを選んだはずです。
しかし、愛社精神を失っていた私には、会社に残って自分を磨くという選択肢はありませんでした。
転職の直接的な理由が会社の業績悪化ではないと書きましたが、業績悪化をきっかけとして大切なことに気付くことができました。
それは、会社そのものが向上心を持たない組織になってしまい、結果的に急激な業績悪化を招いてしまったということです。向上心を持たない会社にいたことで、私自身の向上心も失っていたことにも改めて気付かされました。
新天地を目指して転職活動をしても転職先はそう簡単には見つかりませんでした。
努力を怠って七年間を過ごした私のスキルでは、どこの会社の求人にも引っかからないことを知ることになりました。
『資本主義社会では、数年努力を怠ってしまうと、あっという間に取り残されてしまう』
この事実は私の危機感をあおりました。
このままでは自分が幸福になる道が閉ざされていくということ。そうなってしまっては、自分も守れないし周りの人も守れないということです。
転職に成功しましたが、結果として新天地での洗礼を受けることになりました。上司からは罵声を浴びせられ、休日も家で仕事をする日々が続きました。
努力を怠っていたツケが回ってくるのは当然のことでした。
そのツケを払いながら私は思いました。
『もう二度とツケは払いたくない。たとえ優良な会社に所属していても、周りがさぼっていたら業績は悪化し、私にもツケが回ってくることがある。周りを変えるのは難しいが、自分自身なら変えられる。それなら自分で会社を作るのが一番安心だ』
いつか会社を立ち上げるという執念に火がつきました。
起業という目標を持ってから人との関係を大切にするようになりました。旧友と再会する機会も増えましたし、今までの会社でお世話になった人との関係も意欲的に続けようと思うようになりました。人の大切さを強く意識しました。
自分自身の力でお金を得るということの難しさや大切さも強く意識しました。
日々勉強することや、新しい環境に身を置くことは大変ではありますが、『危機感』と『向上心』があればそれなりに耐えられます。
皆さん、実はあなた方のそばにも知らず知らずのうちに『危機』が迫っているかもしれませんので、その準備だけはお忘れなく。