もっとも価値のある五千円の使い道
おはようございます。間瀬邦生です。
忘年会シーズン真っ最中ですね。私も前職の会社の上司との忘年会が予定されていますが、今日はその上司の話をさせてもらいます。
私は二年ほど前に、七年間勤めた会社を退職しました。
その七年間のほとんどを、三歳年上の先輩とともに仕事をしていました。
お客さまのところへ行くときも、残業をするときも、休日出勤をするときも、ほぼ一緒にいまして、七年の間で私ともっとも長い時間そばにいた人は、その先輩でした。
一緒にいて楽しく、頼もしくて、別れるときは寂しかったです。
その三歳年上の先輩の他に、もう少し年の離れた上司がいました。
この上司とは三年間ほど仕事をご一緒しましたが、親密さを比べたら、やはり三歳年上の先輩ほどではありませんでした。
いよいよ私の勤務も終盤を迎え、私と先輩と上司と三人で送別会をする日になっていましたが、仕事はまだ残っています。
そんなとき、上司が
「残りの作業は私がやっておくから、きみら二人で食べてきなさい。七年間の積もる話もあるだろうし、私がいない方が心置きなく話せることもあるだろう。行ってきなさい」
と言って五千円の餞別を渡し、私たちを送り出してくれました。
自分が参加しない飲み会のお金を払う。ただお金だけを出す。
こんな清々しい支払いを見たことがありましょうか。
これこそ見返りを求めない愛を表現した行動だと私は感動を覚えました。
その会社で私は出社最終日まで多くの仕事を任されました。
やりがいのある仕事と、最後の最後まで最前線で戦わせてくれた当時の会社に感謝してやみません。