飲食店マジック!食欲を刺激するネーミングセンス
おはようございます。間瀬邦生です。
本日は飲食店メニューのネーミングについて紹介します。今回の件で言葉の力は恐ろしいものだと、つくづく思い知らされました。
時間はランチ、お店は明太子の食べ放題で有名な『やまや』様です。四種類の定食があり、その中から選びます。
一つめ『日替わり定食』
普通のネーミングです。特記することはありません。
二つめ『鶏の唐揚げ明太子風味定食』
衣に明太子がまぶしてある唐揚げです。衣に明太子をまぶすという斬新さは、私の脳をストレートに刺激しました。いったいどんな味の唐揚げが出てくるのでしょうか。
ひとまず注文の候補にノミネートします。
しかし、これはネーミングの秀逸さではなく、優れたメニュー開発という側面が強いでしょう。
今度家で唐揚げを作るときは柚子・海苔・シソ等、色々とまぶすと美味しいかもしれません。料理のアイデアとして参考になりました。
三つめ『博多郷土料理がめ煮定食』
『がめ煮』とはなんだろう、真っ先に思いました。
知らない食材や料理に出会うと、どうしても知りたくなります。人の探求心・知識欲を刺激するネーミングは非常に有効だと思いました。
ただこの料理には注釈がありました。がめ煮とは筑前煮のことだそうです。
候補にノミネートしかけましたが、やめることにしました。私は筑前煮が好きではありません。
四つめ『じっくりたれ漬け豚しょうが焼き定食』
文字に書いてしまうと、単なるしょうが焼きだとすぐに分かってしまうのですが、現地の看板では『じっくりたれ漬け』の文字がまず先に目に入ります。
この瞬間から私の脳内は『たれの味がすみずみにしみ込んだ何か素晴らしい料理』というイメージでいっぱいになります。味がしみ込んでいるということは肉質も柔らかく、仔羊のフィレ肉のような繊細な何かが出てくるのだろうかと、妄想は膨らむばかりです。
その興奮から注文する寸前までいきました。
しかし最後の最後で気付いたのです。いざ冷静になって名前を読みあげると、これは豚のしょうが焼きなのです。
豚のしょうが焼きを作るときにたれに漬けこまないことがあるのでしょうか。疑念がわいてしまいました。
最初に受けたインパクトの強さと冷静になったときの冷めた自分の温度差に戸惑いを隠せません。
結局、私は日替わり定食を注文しました。
明太子の食べ放題を堪能するという初心に戻り、無難なものにしたのではありますが、たかがネーミング、されどネーミング、同じ料理でも人に与える印象はこうも違うのかと思い知らされた一件となりました。
言葉が人の心に与える影響、ひいてはビジネスに与える影響はすごいですね。