就農して4年間の軌跡(3)人脈『農業は共通言語』
おはようございます。間瀬邦生です。
今年で農家4年目を迎えました。
「人は城、人は石垣、人は堀」という武田信玄の言葉にもありますが、人間関係が良好なことは絶大な力で、物事がうまく進む要因でもあります。
知り合いになるだけでもでも、信用は一つ上の段階へ。
農家は地域にがっつり密着した職業で、周囲に自分の顔を知ってもらうには最高の職業のようです。
本日は、これまでの人脈の広がりについて。
1.就農前『地域おこし協力隊』
2.1年目『就農、クラウドファンディング』
3.2年目『副班長、用水係、消防団、選挙』
4.3年目『イベント、移住その他相談』
5.4年目の今年『班長、出荷会役員、農地拡大』
知り合いがまったくゼロからのスタートが、このときから始まりました。
右も左も知らない移住者に、色んな人が丁寧に教えてくれます。お祭りの手伝いをしても知り合いがまた増えます。何より役所の職員さんとの繋がりが増えます。
野菜の育て方も、木の切り方も、ご近所付き合いも、何も分からないので、色々と周囲の人に訊いているうちに知り合いは増えます。
ざっと100人くらいは電話帳が増えたような気がします。
農家
農家とは、晴れが続けば畑に雨が欲しいですねと言い、雨が続けば畑に日光が欲しいですねと言う。
生産に失敗すれば笑い話になり、成功すれば隣人が翌年作ったりします。作り方を教えてあげたり、教えてもらったり。
自分の作った野菜が道の駅で良い値段で売れれば自慢話になり、市場の相場が上がった下がったで一喜一憂。
イノシシが出れば対策の話になり、シカやクマが出ても話は盛り上がります。
そんな会話には困らない職業です。
会話は人間関係の潤滑油。
余った野菜も農家にはつきもの。おすそ分けで気楽にお宅訪問も。
クラウドファンディング
農家1年目のクラウドファンディングで、地域おこし協力隊時代3年間の関係を頼りに支援を募りました。それまでの広く浅かった付き合いが深くなるきっかけにもなりました。
また旧友との再会も。
だんだんと地域に馴染み始めた農家2年目。
20戸の班の副班長に就任。少なくとも近隣20世帯との関係は深まりました。
地域に存在する20haの水田集積地を管理する5人の用水係の1人に就任。水田を耕作していなければ任命されることもなかったでしょう。
消防団入隊により、20~50代10人くらいとの交流も増えました。
農家は働く日・時間を自由に決めることができ、色々な地域活動に参加しやすいのです。
特に選挙では、会社員が仕事をしている平日に、農家の私はお手伝いできるので重宝されます。
イベントののぼりを立てさせてもらうお願いや、ポスター張りのお願いでも知り合いは増えました。
イベントのスポンサー集めでは地元企業の社長と知り合いになれました。
どの会社の誰が地域貢献への意識が高いのか分かり、そういう情報はとても有益でもあります。
3年目くらいから、移住希望者の相談も増え始めます。
移住者が知りたい情報を集めるために誰かの力を借りたり、私が仲介して話の場を設けたりと、この方面からも知り合いも増え始めます。
地元産直店の出荷会の役員に任命されました。
この役員は各地区から選出され、その代表が集まるので、また新しい知り合いが増えます。
耕作する農地が増えてきたことから、地主さんの知り合いも増えていきます。
新しい農地の耕作を人に手伝ってもらえば雇用にも繋がり、また新しい人に出会えます。
新たに雇用するときには、既に働いている人の知人を呼んでもらい、また新しい知り合いが増えます。
耕作面積が広くなればなるほど、貸してくれる地主さんに交渉に行くことになるので、つまり農業をやればやるほど知り合いは増えます。
このような積み重ねで、知り合いがどんどん増えていきました。
農業を介した繋がりは、それは仕事の付き合いのようでもあり、限りなくプライベートに近い付き合いのようにも思えます。
以上、色々とありましたが、農業は会話の話題作りに最適であり、自由な時間作りにも最適であり、農業が人間関係を良好にしているのは紛れもない事実でしょう。