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都市の野菜は田舎よりも安い

 

おはようございます。間瀬邦生です。

どこに行っても野菜の価格を気にする習慣がついてしまいました。週一日八百屋で、週二日農家で、残りの日は素人ブロガー・三流プログラマーな生活を送っている間瀬です。


さて、最近分かった『都市部の野菜は田舎よりも安い』という事実。


輸入牛肉は国産よりも安いです、牛肉と同じように、野菜だって他の地域で採れたものの方が安いという事は多々あります。

田舎は周りに畑や田んぼがいっぱい広がっていて、近くで採れたものは輸送コストがかからず、間に挟む仲介業者も少ないため、ほとんどのものが安い。…なんてことは幻想でした。


目次

1.市場価格の比較

2.都市の野菜が安い理由

3.道の駅の野菜はお得なのか

4.地産地消が叫ばれる理由

5.野菜を売る、生産する立場として考えること


1.市場価格の比較

市場価格は数値で明確に示してくれます。

各地の青果市場では相場表というものを公表しており、ネットでも相場表を見ることができます。相場表ではその日の取引金額が一目で分かります。


例えば、4月のある日のナス。

茨城水戸市場、茨城県産、4kg 2050円。

東京大田市場、福岡県産、4kg 1728円。

と、相場表で発表されていました。


市場で取引されるナスの規格は、Mサイズ1個あたりの重さは80gと決められており、4kgだと、50個という計算になります。1個あたりで計算すると、

水戸市場のナスの価格は、41円。

大田市場のナスの価格は、34.5円。

6円ほどの差となり、スーパーでは3個1袋などで販売されていることから、20円ほどの価格差になるでしょう。


2.都市の野菜が安い理由

都市は人が多く、消費量も多くなります。市場としての価値も大きく、商品の流通量が増えることにより、価格が安くなります。

商品を一度に多く輸送できれば輸送コストが下がり、供給が増えれば市場の価格は下がるという理屈ですね。


都市の野菜が安いといっても品質が悪いわけでは決してありません。全国各地の旬の野菜が入ってくるということで、良質の野菜が入ってきていると推測できます。

安くて美味しいものが常に届けられるシステムが都市にはできていて、品質で気になることと言えば、スーパーの店頭に何日も並んだことによる鮮度の問題くらいでしょうか。


ちなみにナスの例だと、4月の茨城県水戸近郊は寒く、生産量も少なく、地場産のナスが安値で出回ることはありません。残念ながら東京よりも高いナスが大半です。


3.道の駅の野菜はお得なのか

上記のような市場の状況を踏まえると、道の駅の野菜の全てが必ずしも安いとは言えません。

旬のものであれば安いし、そうでなければ高くなります。

私が抱いていた、『道の駅は安くて新鮮』の神話は崩れました。


余談ですが、道の駅の野菜が市場価格よりも高くなることもあるそうです。観光客など外部の人間が多く訪れ、売れると分かれば、生産者が価格を上げるのも当然のこと。

地元の人がよく買っているお店の方が安いとのことです。


価格というものは色々な要素で決定しており、面白いものです。

購入にあたっては、商品を見る目を養っていることが重要だと思いました。


4.地産地消が叫ばれる理由

近くで採れたものは輸送コストがかからないから安い、そして新鮮。という安易な地産地消の概念が私の中で崩れたので、地産地消の意義を改めて考えてみようと思いました。


以下のような理由があるらしいのです。


(1) 消費者のメリット

新鮮で安心な食材。生産者の顔が見え安心。生産者との交流。「旬」の味を知ることができる。


(2) 生産者のメリット

産直施設などに規格外のものを販売できるため無駄が減る。消費者のニーズを知ることができ、生産意欲が高まる。流通コストが安くなり、所得の向上につながる。農業に対する理解が深まる。


(3) 農林水産業の持続的発展

これは上記(2)の効果により、生産者の高齢化・担い手不足の解消。国産農林水産物の価格の上昇。生産者の生産意欲の向上。食料自給率の向上。といったことが期待され、農林水産業の持続的発展は、安定した消費に支えられて初めて実現するものという考え。


(4) 自然環境の保全

水源のかん養、洪水調節、大気の浄化などの自然環境の保全、美しい景観の形成。地域住民の生活を守ることとしての重要なこと。


以上。

私の主観としては、野菜の購入・消費としてのメリットよりは、『自分たちの地域を守る』という、地域の保全の意味合いが強いように思えました。


5.野菜を売る、生産する立場として思うこと

都市の野菜は田舎よりも安いのですから、近郊で売れているうちは、生産者はわざわざ遠くまで安値で売りに行く必要はないという結論になります。


それでも売りに行くからには、明確な理由を持って売っていかなければ、どこかいびつな商売になってしまうことでしょう。


例)もっと稼ぐため。安値でもいいから、数を多く売りたい。田舎では消費しきれない量を都市に売りに行く。生産の方向性としては、機械化農業による大量生産。

例)野菜を通して田舎を知ってもらいたい。田舎に足を運んで欲しい。都市と田舎を繋ぐコミュニケーションのツールとして売りに行く。生産の方向性としては、交流を意識した品目の生産。


『田舎の野菜は都市よりも安い』ことはない!

新しい考えで今後の展開を模索していかなければなりません!



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