宅配野菜セットのコストパフォーマンスを考察する
おはようございます。間瀬邦生です。
本日は、農家・企業のインターネット販売サイトでよく見かける商品『野菜セット』の内情を考察してみようと思います。
目次
1.全国から野菜を集めた『野菜セット』
2.特定地域内で生産された『野菜セット』
3.『野菜セット』の長所
4.『野菜セット』の短所
5.小売店の進歩
6.『野菜セット』がもたらす幸せの価値
まずは野菜セットを大きく2種類に分けて考えてみます。
その1つが、大手企業が取り扱う野菜セット。
長所は、提携農家が全国各地にあり、旬の野菜をお届けできるということ。旬の野菜は美味しいものです。
短所は、梱包前に野菜を一か所に集めるため、時間がかかり鮮度が多少落ちてしまうこと。
また、集積所を維持する等のコストがかかるためか、付加価値の高い野菜を扱わないと採算が合わないためか、全般的に価格が高いこと。
もう1つが、特定地域内で生産された野菜セット。
個々の農家さんや、数軒の農家さんがまとまって野菜セットを作っている形態です。
長所は、なんといっても鮮度。狭い範囲で生産しているので、収穫→集積→梱包→発送までがスムーズ。
価格も大手企業より安い場合が多いです。
短所は、野菜の種類が限定されてしまうということ。
『野菜セット10品目』という商品で、10品目を用意するために、旬ではない野菜を育てざるを得ないこともあります。そういった野菜では、生産者自身も満足のいかない品質も多いとのこと。
(1) 野菜の品質は概ね良い
(2) 珍しい野菜が手に入ることもある
(3) 買い物の手間が省ける
(4) 生産者と直接繋がる
一見、良いところ尽くめに思えますが…。
(1) 価格が高い。配送料も料金に含まれるので尚更高い
この価格の問題が唯一のネックです。唯一にして最大のネックです。
どんなに良い物でも、手の届く価格でなければ継続的に買い続けられませんよね。
最近は、有機無農薬野菜や朝採れ野菜を、スーパーで見かけることも多くなりました。流通の進歩や企業努力により、鮮度も品質も良い品が多く出回っています。
前もって予告している特売の商品であれば、仕入れ日も調整していることでしょうから、確実に新鮮な野菜が並んでいることでしょう。
野菜セットの『品質』の優位性は、昔より確実に失われていると思います。
コストパフォーマンスで考えると「悪い」の一言です。
そんな中でも未だに失われていない幸せとは、生産者との距離の近さではないでしょうか。
仲介業者が間に入っていない『生産者直売の野菜セット』であることが肝心です。
生産者から消費者まで、間に人が入れば入るほど、その相手は他人になり、何が起きても他人事になってしまうもの。他人に興味は持ちません。逆に近ければ興味を持ち、親身にもなるもの。
生産者は野菜セットが割高ということを分かって売っています。
そのような商品を買っていただいているお客様に、いつも感謝をして野菜を作っています。
消費者と面と向かって会う機会が少ない中で、その感謝をどう伝えれば良いかに頭を悩ませています。
伝え方が下手で、うまく伝えられない農家さんも多いことでしょう。
野菜セットを作ってくださっている農園へ収穫体験に訪れれば、きっと心からの歓待をしてくださるでしょう。
野菜セットにはそれだけ強い想いが詰まっているのですが、消費者側からは感じることは少ないのかもしれません。
生産者直売の野菜セットには、その価格を上回る強い想いが詰まっています。
その幸せの価値を感じてください。