増える道の駅に敢えて苦言を述べてみる
おはようございます。間瀬邦生です。
今日の私の思案の旅は、地域の経済に大きな影響力を持つ道の駅についてです。
道の駅(みちのえき)は、各自治体と道路管理者が連携して設置し、国土交通省(制度開始時は建設省)により登録された、駐車場・休憩施設・地域振興施設が一体となった道路施設のこと。道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の人々のための「情報発信機能」、道の駅を核としてその地域の町同士が連携する「地域の連携機能」という3つの機能を併せ持つ。
道の駅は、24時間利用可能な一定数の駐車スペース、トイレ、24時間利用可能な電話、情報提供施設を備えた施設であることが登録の条件となっている。
その他、その地域の自主的工夫のなされた施設が設置され、その地域の文化・名所・特産物などを活用した農産物直売所、売店、レストランなどのサービスが提供されている。これまでに地域の特色を生かした個性ある道の駅が誕生しており、温泉や宿泊施設、公園、博物館を併設したものなど多様である。
1993年に始まり103駅だったものが、現在2016年10月7日においては1107駅である。
※参照:wikipedia『道の駅』
それまで農協に出荷していた人が続々と道の駅に出荷するようになります。
生産者自身で価格を決めて売るというしくみを楽しみ生産意欲も上がります。
最寄りの道の駅では手数料として販売価格の15%を道の駅に収めればよく、その利益の高さも農協や市場に卸すのとは比べ物になりません。
交通の便が良い場所に位置する道の駅では観光客も多く来訪し、観光客は財布のひもも緩んでいることから、なかなか良い価格で購入してくれます。
大型施設なだけあって建築費用は高額です。維持費も同様です。健全な経営ができない場合、その費用負担は自治体に重くのしかかるようです。
道の駅は増え続けています。
立地条件の良い道の駅に客は取られ、そうでない道の駅や物産センターの経営が圧迫されるという事態にも陥るそうです。
あまりにも道の駅が乱立すると、いずれはお客の奪い合いによって疲弊してくるかもしれません。
直販などの販路が確保できている農家や企業では、自身の流通ルートで販売した方が利益が高いとのことで、道の駅に出品しないケースもあるそうです(道の駅の手数料の15%がかからないため)。
道の駅は販路の開拓にまで労力を割けない農家(もしかしたら多くは兼業農家?)の一時的な救済措置の要素も含んでいるのではないかとも思います。
道の駅という行政が用意した箱物で得たものは、本来の自分の力で得たものではなく、自分自身で得た別の販路もあることがもっとも健全な状態でないかと思います。
決して道の駅を非難するわけではなく、販路を多く確保しておくことはリスク分散という経営の基本でしょう。
というところで、道の駅を踏み台にして、力強い農家・企業に成長して欲しいと思うのです。