地域おこし協力隊の募集は自尊心をくすぐるフレーズが多いよ
おはようございます。間瀬邦生です。
企業は求人のときに魅力的な言葉を多く使うもので、その点、地域おこし協力隊も例外ではありません。
地域おこし協力隊の募集ポスター・募集サイトには、
『地域を変えていく新しい力』
『地域を変える力になろう』
『よそ者の斬新な視点』
等々、自尊心をくすぐるフレーズが多く存在します。
これが応募者に勘違いを起こさせる原因の一つです。
都会で普通だった人が、地方で急に救世主になれるはずはありません。
そもそも『地域おこし協力隊』というネーミングが勘違いを助長します。
自分が地域おこしを主導できるという錯覚を起こしてしまいます。あくまでも『協力』という立場なのです。協力の文字を太字にしてフォントサイズを2ptくらい大きくして欲しいと思います。
『地域協力活動を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組』
地域に定住するための制度であることをはっきりと明記してあります。地域のリーダーとして招かれるわけでも地域再生コンサルタントでもありません。
協力隊員のメリットという項目には以下の記載があります。
『自身の才能・能力を活かした活動ができる』
これはつまり、才能・能力があれば活躍できるという意味で、才能・能力がなければ活躍できません。
地方も都会も実力社会という点は同じです。
高校までその地方で生活していて、大学を都会で過ごし、地域おこし協力隊として地方へ戻ってきた人がいました。
他には奥さんが地元出身という地域おこし協力隊の応募者と出会ったこともありました。
『そういう人も制度の対象なのか?』
地元がそこにあるのであれば、地域おこし協力隊の制度を利用する必要なく地域に溶け込めるのではないかと思いました。
地域おこし協力隊は、地域に新しい人を呼び込むための制度と思っていましたが、一度地域を飛び出した人を呼び戻すという意味にも気付きました。
地域出身の人でさえ戻らないのが現実であり、それほど地方の人材流出は重いということです。
地域おこし協力隊という名称から実像が分かりにくいと思っているのは私だけでしょうか?
そんな私に理解力の程度はさておき、地域に縁がない外の人にとって有益な制度であることは確かです。
あとは地域の人が有益な制度と思っているかという点ですが、それには地域おこし協力隊の皆さんが、思い込みでも勘違いでも何でもいいので、『協力』隊のレベルを超える成果を上げられるかにかかっています。是非とも頑張ってほしいものです。