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社長論(3)- 決め手は従業員愛

 

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おはようございます。間瀬邦生です。

突然ですが社長のみなさま、会社の経営が傾いたとき、自身の給与を従業員より下げても働けますか?

少しでも回答に悩んだ人は、今一度自分が社長であることを思いなおした方が良いかもしれません。


企業は社会に有益なサービスを提供するとともに、雇用を創出するという役割を持っています。雇用の創出とは、従業員に給与の支払いさえしていれば良いわけではありません。従業員が日々ストレスなく労働をすることを保証し、日々の生活に対する経済的責任を負い、長い視点で眺めればその人の将来設計の一部を担っているということです。


私は過去に中国に一年半ほど滞在しておりましたが、そこで出会った留学・駐在の日本人には大きく二種類の人間がいました。

中国の急速な経済発展から企業の駐在などで中国にいた人間と、歴史・文化を愛して中国を訪れていた人間。

前者は中国語をどんなに流暢に話していても、どんなに中国でお金を稼いでいたとしても、その人の存在が現地に残せたものは何もなかったでしょう。金銭・経済的効果を創出していただけの人に、中国人が良い感情を抱くはずがありません。

後者は心から中国の発展を望み、中国を尊敬していた人間。

その人たちから放たれている中国への『愛』は日中間の友好の架け橋となっていました。発展途上だった中国に対しての献身的な行動と態度は、お金には変えることのできない何かを彼等に与えることになったでしょう。


社長が誰よりも多く働き、社長が従業員を愛している会社は最高です。

社長が従業員を愛して、自分の給料を下げても従業員の給料を下げない会社は最高です。

その思う気持ちが、従業員の力を、企業の力を、より強くすることになります。

自分の利益より他人の利益を先に考える人は、社長の素質を備えているといって良いでしょう。


中国の戦国時代の中期。秦の始皇帝の中華統一からさかのぼること約百五十年。

統一の基礎を築いた公孫鞅は、当時の秦君孝公に熱弁しました。

最初に、最高の為政者としての帝道を説きました。

しかし受け入れられず、次に一つ程度を下げて王道を説きました。

それでも反応は変わらず、最後に覇道を説きました。すると孝公はとても熱心に聞き入り、この話を気に入ったそうです。


会社の利益さえ出ればいい。それはしょせん『覇道』でしょう。

しかし公孫鞅が最初に主張した『帝道』とは、自己犠牲をも厭わない愛を根幹に据えた社長道と酷似したものではなかったでしょうか。

是非社長のみなさまには『帝道』を歩んで欲しいものです。

秦が百五十年かけた大事業を、必ずやもっと短期間で達成できることでしょう!



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