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就農して4年間の軌跡(4)売上『売上を超える利益なし』

 

おはようございます。間瀬邦生です。

今年で農家4年目を迎えました。

正直にお話しますと、所得はなかなか上がりません。体力のある若いうちにある程度の所得まで持っていきたいのですが、思うようには進まず、いつか若さが尽きてしまうのではないかという不安もちらほら。


現実を直視し、不安に立ち向かう気持ちを整える意味でも、本日は金銭的な角度から4年間の軌跡を振り返ってみます。



目次

1.売上推移

┗ ① 1年目『論外』

┗ ② 2年目『480万円』

┗ ③ 3年目『630万円』

┗ ④ 4年目の今年『800万円→550万円』

2.売上を超える利益なし

3.5年目『800万円』、6年目『1000万円』目標

4.売上1000万円で所得400万円が分岐点



1.売上推移

① 1年目『論外』

農機が揃っておらず、ほぼ人力による農家デビューを余儀なくされました。

実績も技術もない中で、作っても規格外野菜は多数、廃棄も多数。農家としては、勉強と忍耐の年でした。貯金を切り崩して生活費に充てていた年でもあり、売上を計算するまでもないです。


② 2年目『480万円』

サツマイモ:300万円

米:50万円

干しいも:130万円


サツマイモ栽培に重要な農機を2つ購入することができ、やっとまともな農業が始まりました。干しいもは当初の目標額であった売上100万円を達成しました。


③ 3年目『630万円』

サツマイモ:400万円

米:90万円

干しいも:140万円


新型コロナウイルスにより市場の米価は大暴落でしたが、事前に飼料米補助金の申請をしていたことにより、米の売上(=補助金の収入)は例年並みを確保できました。九死に一生です。

干しいもの売上は微増です。

全体的には、コロナ禍の影響は受けず、順調な経営ができた一年でした。


④ 4年目の今年『800万円→550万円』

サツマイモ:560万円→360万円

米:90万円

干しいも:150万円→100万円(推定)


基腐病発生による耕作面積の半減。男性従業員の退職も重なって、サツマイモの売上は年度初めの予定額より大幅な減少となりました。

売上としてはマイナスでしたが、悪いことばかりではありません。

サツマイモ苗の自家生産により支出を大幅に減らすことができたことや、男性従業員の退職によって実施せざるを得なかった高齢者パート従業員の作業・配置の見直しなどにより、経費を大幅に抑えることができました。支出の削減に関しては一歩前進です。



2.売上を超える利益なし

来年度以降の経営を考えたときに率直に思ったことは、所得を増やしたければ「売上を増やすしかない」ということです。

個人事業主の規模の農家では、売上に対して50%が所得というのが最高の経営。どうしても半分の50%は経費です。経費が70%を超すという話もよく聞きます。


つまり、所得500万円は、売上550万円では絶対に届きません。

農業においては、作業の効率化や経費削減の前に、まずはある程度の売上(=生産高)を達成することが最初の課題となります。


ただ作っても売れないことには売上にはならないので、生産高と販路が同じ水準でなければいけません。

同じ水準というのが結構難しく、どうしても偏ってしまうもの。会社でいうところの開発部と営業部という全く違う仕事を同時に進行しないといけないのです。



3.5年目『800万円』、6年目『1000万円』目標

売上を超える利益は出せないのは前述のとおり。

来年度5年目の売上目標を800万円とするならば、経費が700万円かかったとしても、800万円分の商品を生産し、どんなに安売りでも800万円で売らないことには次に繋がらないのです。


そして翌6年目に、効率化や経費削減という流れ。


翌6年目は売り上げをさらに200万円上乗せし1000万円を達成。同時に経費削減を実施し、経費を500~600万円くらいに抑え、400~500万円の利益を確保する。

この計画で進めていこうと思っています。


ここ2年が勝負の年と考えていまして、もしここで達成できないと、ずるずると低空飛行を続けていき、体力も資金力も尽きてしまう気がしています。



4.売上1000万円で所得400万円が分岐点

今、こっそりと税金の勉強と、法人化の勉強をしていまして、所得400万円くらいから法人化を検討する時期が来るようなのです。


法人化のメリットについて、税制面から細かいを説明させてもらいますと、法人には最低限発生する税金「法人住民税 均等割」の年間7万円があります。

その7万円を念頭に置いた上で、個人事業主と法人の税金を比較します。

年間所得400万円の個人事業主の場合、青色申告控除額は65万円です。

法人を設立し、その法人からの年間給与400万円を受け取る場合、給与所得控除は124万円です。

この控除額の差は59万円。所得400万円の人は所得税が10%のゾーンなので、控除額の59万円の差により発生する税金の差額は5万9千円となります。

「法人住民税 均等割」年間7万円と比較し、だいぶ近い額です。


法人になると、国や県からの補助金も受けやすくなります。

所得400万円が法人化も含めた次のステップの入り口なのでしょう。



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