毎朝ちょこっと見て、ちょこっとでも元気になって欲しい。そんな思いで始めました。

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地域おこし協力隊は、まず苦楽を共にすること

 

おはようございます。間瀬邦生です。

地域おこし協力隊は自治体により色々なミッションが用意されています。

情報発信、商品開発、特産品の販売促進、芸術による地域活性、農業振興、と様々。

それら表向きのミッションが様々であっても、辿っていくと最終的には一次産業に行き着きます。地域おこしが叫ばれる地域の経済の基礎は、絶対的に一次産業なのです。


農業畜産といった一次産業は3Kと言われ、敬遠される仕事です。敬遠されるからこそ就業人口は減り、産業の衰退に繋がっています。その根幹の問題を理解せず地域おこしは不可能でしょう。根幹の問題を知るために、一次産業を知る必要があります。

知るためには自ら実践するのが一番良いのです。



目次

1.本質を知るために必要

2.地域目線になるために必要

3.地域おこし協力隊の立場からして必要

4.呉起に学ぶ



1.本質を知るために必要

野菜の生産はできるが、販路が弱い。加工品開発も進んでいない。そんな地域の弱点を補うのが地域おこし協力隊。

でも、販路拡大だけやっていればいいのか、加工品開発だけやっていればいいのか、というとそれは違います。

弱点を補う仕事をやりつつ、原材料の生産にも携わることが必要です。[生産→加工→流通]の全体の流れを知ることは、事業全体の本質を知ることになります。


一次産業を外から見て「わ~、大変そう」と言っているだけでは本質を突いたキャッチコピーは書けません。見ただけの内容と自分で体験した内容では、言葉の重みが違ってくるものです。


2.地域目線になるために必要

就業人口が減っているとはいえ、専業兼業合わせた一次産業に携わる人はまだまだ多く、自宅で消費する程度の量の作物栽培や草刈り程度であれば、全ての住民が日常的に行っています。

田舎の草刈りは、都会の庭の草むしりとはわけが違います。都会のアスファルトの隙間から生えている弱々しい草とは違います。暑いときは汗だくになりながら、一年に何度も刈ります。当然きつい作業で、何度もやるうちに嫌になります。その感情を共有することはとても大切です。

その辛さを噛みしめながら生きていくこと、可能ならそれを生業(もしくは生業の一部)にすること。それによって地域の人との共通の話題も増え、一目置かれていくものです。


3.地域おこし協力隊の立場からして必要

地域おこし協力隊の価値は、金額に換算すると、年間400万円(200万円が給与、200万円が活動費)です。

400万円という条件で雇われ、400万円の実力しかない人物だとすれば、体を動かさずアドバイスや指示・提案をするコンサルタント業だけが仕事ではありません。

本来やるべきことは、最初は何も分からず何も成し遂げられなくても、地域に寄り添い密着して、模索しながら実行していくことでしょう。


地域おこしを確実に成功に導くことのできる人物に1000万円くらい出す自治体はいくらでもあるはずです。コンサルタントとしての自信があるのなら、地域おこし協力隊にならずに、コンサルタントとして採用されればいいのです。


決してコンサルタントすることを否定しているわけではありません。

コンサルタントの力を持つ人物が泥にまみれて、一次産業の現場で奮闘している姿は確実に多くの人の共感を呼びます。それがより大きな成功に結び付くと信じているから言っています。


4.呉起に学ぶ

呉起は呉子とも呼ばれ、孫子と並ぶ兵法家です。呉起は魏にいる間、周辺の国々と通算76回も戦い、64回勝利し、残りの12回は引き分け、敗北は一度もありませんでした。


呉起は軍中で兵士と同じ物を食べ、同じ所に寝て、兵士の中に傷が膿んだ者があると膿を自分の口で吸い出してやったそう。ある時に呉起が兵士の膿を吸い出してやると、その母が嘆き悲しみ、

「あの子の父親は将軍に膿を吸っていただいて、感激して命もいらずと敵に突撃し戦死しました。あの子もきっとそうなるだろうと嘆いていたのです」

と言った逸話(「吮疽の仁」と呼ばれている)が示すように、兵士たちは呉起の行動に感激し、呉起に信服して命も惜しまなかったため、この軍は圧倒的な強さを見せたのです。


歴史に残る将軍ですら一兵卒と同じ環境に身を置いていたのです。

地域おこし協力隊なら尚更のことではないでしょうか。



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